きつねがテーマのおはなし会  byヤン

4年生の今の時期、国語の授業で「ごんぎつね」を習います。
教科書では超ロングセラー(?)の「ごんぎつね」。
授業のおはなし会で、先生から新見南吉をテーマに話してもらえないかとリクエ
ストされました。
新美南吉の作品はどれも好きですが、4年生が耳から聞いてイメージできるか?
となると、選ぶのが難しい。
それで、無理してストーリーテリングで聞かせるのではなくて、南吉作品へいざ
なうかたちでのプログラムを考えました。
テーマは「きつね」
南吉作品では「ごんぎつね」「てぶくろをかいに」「狐」が有名ですね。だから
南吉が特に狐を好んだかというと、じつは、そうでもない。
狸やウサギやがちょうや牛や、さまざま動物を登場させています。
つまり身近な動物で物語を書いた。
ん?身近な動物……きつね。
そういえば、日本だけでなく外国にもきつねの登場する話はたくさんあります。
ずるいきつね、化けるきつね、賢いきつね……
かつては、きつねは、人間の近くに出没する身近な野生動物だったんですね。
4年生  45分   約25名×4回
「こんこんさまにさしあげそうろう」 同名絵本 森はな作/PHP研究所刊……
他の語り手  
「まほうの鏡」 村上郁再話
「おおかみときつね」 『語るためのグリム童話4』小澤俊夫監修/小峰書店
「九尾のきつね」 村上郁再話
新美南吉のミニブックトーク
「こんこんさまにさしあげそうろう」は、ほんとうは冬にするのがいいんですけ
どね。
でも、4年生ぐらいになると、一年の季節のまわりをとらえれるようになるの
で、組み入れみました。
野生のきつねと人との共存。
終わってからも子どもたちは「こんこんさまに〜♪」って歌ってました。
「まほうの鏡」は、ギリシアの昔話。グリム童話の「あめふらし」の類話です。
「あめふらし」のきつねは賢いきつねですが、「まほうの鏡」では目立たない存
在です。
でも、昔話が若者の成長する姿を描くのだとしたら、「まほうの鏡」のほうが当
てはまるし、私は好きです。
もうすぐ、本文と、この時の録音をUPするので、お楽しみに。
「おおかみときつね」のきつねは、賢いきつね。
子どもたちが「かしこいなあ」と感心していました。
自分をいじめるおおかみに逆らうことはしないで、うまくやっつけています。
いばるくせに間抜けなおおかみ。子どもたちは笑いながら聞いていました。で
も、最後にお百姓がおおかみを打ち殺すと、「ええ〜っ!」「殺 す〜っ?」っ
て驚いたようす。そこまでしなくてもって思ったんでしょうね。
でもね、「きつねは、いじわるで食いしん坊のおおかみがいなくなって、大喜び
しましたとさ」っていうと、「ああ!」って、納得。笑っていました。
そう、「いじめられている子どもたち、こうやってやっつけな!」って思って選
んだ話です。
「九尾のきつね」は、こわいきつね。
≪外国のおはなし≫に載せていますので見ておいてください。
もうすぐ、音声をこのときのライブ録音に差し替えます。子どもの反応もいっ
しょに聞いてください。
お話のろうそくを消してから、南吉作品を25冊ほど紹介して、教室において帰
りました。
市立図書館から団体貸出で、1か月借りたものです。みんなで読んでくれると思
います。
おはなしの出典本もおいて帰りました。
「まほうの鏡」と「九尾のきつね」は、本がないので残念でした。
特に「九尾のきつね」。
子どもたち「ええ〜っ。おもしろいのに〜!」
わたし(心の中で)「本にしたいよ〜」
子どたち「けど、覚えてるし〜。言えるわ」
わたし「うん、おうちの人とか友だちとかに話してあげてね」
おお、口承の復活か〜〜〜!?
ところで、『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(内山節著/講談
社現代新書)って本御存知ですか?
おもしろいねんけど、長くなるので、このへんで。またこんど。
  ヤン

3 thoughts on “きつねがテーマのおはなし会  byヤン

  1. おもしろ~い!!
    私も子どもになって聞きたかった!
    身近な動物 きつね。
    若者の成長を描いた作品、
    賢いきつね、
    恐いきつね。
    新美南吉 を紹介する、っていうお題?でこのような素晴らしいプログラム!ほんとにすごいです!
    プログラムを考える時の考え方の流れがよくわかって、すごく勉強になります!キチンと1時間のプログラム(内容・流れ・テーマ)を考えないといけないですよね…
    プログラム…ほんと難しいです…。
    運動会もおわり、これから2学期のおはなし会が目白押し。悩ましいです~(~_~;)
    ちなみにお年寄りにはどんなのがいいでしょうかねぇ?きつねがテーマってのもありかなぁ…
    アドパイスをプリーズ…

  2. かぶさん
    コメントありがとうございます。
    きつねって身近なので、お年寄りでもいいかも。
    でも、どちらかというと、聴きなれない話よりもよく知ってる話のほうが喜ばれるような気もします。
    たとえば桃太郎とか赤ずきんとか、「なつかしいですね~」って語ってから、「むかしって、よくきつねが人を化かしたそうですよ」って、短い日本の昔話、例えば「きつねが笑う」とか「風呂は野壺」とかを日常語で語ってみる。「みなさんも、きつねにだまされた話って聞いたことありませんか~?」って、話を引き出す。で、それを覚えて帰って再話して語る(これは、冗談ー笑)
    プログラムを考えるのって、楽しいです~
      ヤン

  3. わ~い!
    ヤンさん、アドバイスありがとうございますm(_ _)m!
    なるほど~!
    みなさんがよく知ってる話か~
    取り混ぜて、テーマとともにプログラムを考えてみたいと思います!
    ありがとうございます~m(_ _)m

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